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物合とは、汎く事物に就きて左右お対比し、優劣お判し、輸贏お決するお雲ふ、故に其事物は一ならず、動物には、斗鶏、虫合の如きあり、植物には、斗草、前栽合、根合の如きあり、器物には扇合、貝合の如きあり、文書には物語合の如きあり、多くは上流の娯楽に供するに過ぎず、其盛なるものには、左右に各々頭あり、念人あり、籌刺あり、奏楽あること、相撲の節等に同じく、又歌お詠じて之お其物に加ふるあり
此に列挙せる物合の外に、斗牛斗犬あり、動物部に見え、競馬あり、武技部に見え、絵合、歌合あり、文学部に見え、琵琶合、今様合あり、楽舞部に見えたり、