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古今著聞集
二十/魚虫禽獣
完治五年十月六日、殿上人所衆滝口小舎人、左右おわかちて小鳥合の事有けり、公卿はまいられず、殿下三位中将ばかりぞさむらはれける、殿上人左方頭中将仲実朝臣、右方中将宗通朝臣以下、夏の袍どもに冬指貫おぞ著たりける、左勝て殿上にとまりて、朗詠今様猿楽など有けり、右はみな逃ちりにけり、小鳥は後に院へ参らせられにけり、〈くはしくはべちの記に有〉