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朱雀院女郎花合
亭子院の御〈○字多〉おりいさせ給ふて、またのとしきさきとみかどのせさせ給ふ、おみなへし合なり、
一番 左
草がれの秋過ぬべきおみなへしにほひゆへにやまづみえぬらん

あらがねの土の下にて秋まちてけふのうらでにあふおみなへし
二番 左秋のゝにおみなへしみんとさしはへてぬれにしそでや花とみゆらん

おみなへし秋のゝ風にうちなびきこゝろひとつお誰によすらん〈○中略〉
花は右おとり、歌は左かちけり、