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平家物語

小朝拝
平家はさぬきの国八嶋のいそにおくりむかへて、年の始〈○寿永三年〉なれ共、元日元三のぎしき事よろしからず、〈○中略〉花のあした月の夜、詩歌くはんげん、まり、小弓、扇合(○○)え合せ、草づくし、虫づくし、さまざまけう有し事共思ひ出、かたりつゞけて、永き日おくらしかね給ふぞ哀なる、