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徒然草

貝おおほふ人の、我まへなるおばおきて、よそお見わたして、人の袖のかげ、ひざの下まで目おくばるまに、前なるおば人におほはれぬ、よくおほふ人は、よそまでわりなくとるとは見えずして、ちかきばかりおほふやうなれど、おほくおほふなり、