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藤原隆祐朝臣集
住吉に侍しに、都より知たる女房あまた天王寺に詣でゝ侍しかば、住吉の神主
経国女に、おほひかひこはんとおもふに、歌のそへたきよし申侍しかば、読てつかはし侍し、波よするつもりのうらによる貝おひろはぬ袖にうつせとぞ思ふ
返し貝にかきて
たづねきてひろはぬ浦のつらければ袖、につゝむにかひやなからん