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源氏物語
三十二/梅枝
冬の御方にも、時々によれるにほひのさだまれるに、けたれんもあいなしと覚して、くのえかうのほうすぐれたるは、さきの朱雀院のおうつさせ給て、公忠の朝臣のことにえらびつかうまつれりし、百ぶの方など思ひえて、よににず、なまめかしさおとりあつめたる、心おきてすぐれたりと、〈○下略〉