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夏山雑談

香の式は、十炷香お本として、さま〴〵の法は皆のちにいできたるなり、〈○中略〉源氏香の図は、最初より其図あるにあらず、五炷の香お試おぼえたる次第おかきしるすに、自然と其図いでたるなり、図のつくりやう、大概左のごとし、
源氏香は、香五炷也、五炷の内、一の香五包、二の香五包、三の香五包、四の香五包、五の香五包、合二十五包お打交て、何れなりとも、其内五包とり出し、香本より一包づヽたき出す、譬ば一二三四五皆かはりたる香ときけば、皿如此図お名乗紙に書き、一四かはり、二三五同香ときけば、〓如此書き、一二同香にて、三四五かはりたる香ときけば、〓如此書き、一三同香、二四同香、五はかばりたるときけば、〓如此書き、一三同香にて、二四五同香ときけば、〓如此書なり、余は是にならふべし、如此きヽたるおぼえ次第に甫おつくれば、自然と五十二の図出来るなり、
系図香は、四炷なり、一炷お一包づヽにして、合十六包お打交て、其内四包お次第にたき出す、ききやう図のつくりやう、源氏香に同じ、是も自然と、十五の図出来るなり、