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木芽説
あるふみに、いにしへおほやけに、ひき茶の節会とておこなはるゝ公事ありしとしるせれど、ことさらにさる節会あらば、いにしへぶみどもに、かならず其程のとかくのさだめども見えぬべきお、さもあらぬは、かの春秋の御読経にひき茶とてたまふ式有けるお、其事たえてのちの世に聞ひがめつるつたへなるべし、