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太平記
二十四
天竜寺建立事
武家の輩ら如此諸国お押領する事も、軍用お支ん為ならば、せめては無力折節なれば、心おやる方も有べきに、そヾろなるばさらに耽て、身には五色お粧り、食には八珍お尽し、茶の会酒宴に若干の費お入、傾城田楽に無量の財お与へしかば、国費へ人疲て、飢饉疫癘盗賊兵乱止時なし、