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明良洪範
十六
佐久間右衛門尉信盛は、信長の老臣なれど、石山本願寺攻の時に、信盛は住吉に陣取りして居たれど、本願寺強くして容易に攻られず、一年余も対陣して戦る〈○る恐ふ誤〉事無れば、戦必見合せ、休息の間、茶の湯お催したるお信長聞れて、軍事に怠る事以ての外也とて大に怒られ、領所お取上げ、其儘陣中より直に追放せられくり、