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槐記
享保十一年四月二十一日、御茶、〈上田養安、拙、○山科道安〉 午半参集、雨天、
御待合〈円座ばかり〉 御手水鉢〈雨覆あり、杉の長へぎ細竹うち、同じく竹の四本あし、〉 御囲のにじりあかり戻障子ばかり、簾なし、 御床掛物〈日完葡萄、自画自賛、是前かど御茶にて拝見す、日完印五月廿八日とあり、風炉に別して興あり、〉 御棚〈しよんずいの四角平香合、赤絵まじり、甲に揮の字あり、肩に直印あり、角に平印あり、めづらしき由なり、〉 御釜〈大口のこしきたち、端と端とい下に粒々あり、○中略〉
中立 待合〈烟草盆円座計、〉 御囲〈障子かはり半腰、障子紙、上はみな油布にて卸はり、油有は唐物、黄色のもしの形に似てあおきものなり、〉 御床花生〈二尺まはりほどの竹、内真の黒ぬり、外うるしつくろひ、常修院様、○慈胤法親王〉 御花〈杜若、下の段に御いけ、川骨、上の段に水はり、〉 御水指〈せとのあめ色、筋あり、ぬりぶた黒、〉 御茶入〈きりぎりす、青色にて筋幾つもあり、肩より置方に黄薬あり、〉 袋〈紹鴎純子、裏たてにすぢあるかいき、〉 御茶杓〈福島大夫作〉 御茶碗〈はぎ〉