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貞要集

朝会之事〈附俊花之事〉
一朝会と約束のときは、七つ時分に支度おして可参、道の程遠近お考、七つ過に待合へ可入、客揃候へば亭主迎に出、七つ過に座入可有、極寒時分は、下火お多入置釜お揚、下火おひろげて、炉辺へ寄申様にと挨拶有之也、路次に水お打不申、灯籠迎暗灯とうしんも短く数三筋計、宵より待たる体に仕なし、あかつき方あかりのすごく無之様に仕候、小座敷の内は木地の暗灯出し申候、是は夜明て取入る時に、やすらかに有之故也、時分お見合、夜の内に炭お致候、ほの〴〵と明る時分、路地の石灯籠、又は釣灯籠の火も消申節、替戸お取、囲の内暗灯お取入、膳お出し申候、古来は右の時分お第一に仕、朝会はやり申候、当代は朝会といへども夜明て路次入、五つ時会席お出し、此時は中立に路次へ水打申候、それも極寒の節は心得可有、風炉の茶湯には、朝会にても初後ともに水打申候、其外常の作法に替る事なし、