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茶道筌蹄

茶会
独客 客待合に腰おかくるも、中央より下へさがりて席につくも同様なり、主人の心得は、客の淋しくなき様にもてなすお肝要とす、主人の座は茶点畳の末席に、座敷の勝手に随ひ見はからふべし、料理は膳お客へ進め、手前の膳お持出し相伴する也、其後は通ひ用ゆ事例のごとし、偖通ひ飯器間鍋(かんなべ)お引とき、亭主煮物の椀お我膳へ乗せ勝手へ持行、勝手にて吸物お相伴するなり、又吸物まで相伴して、吸物椀お膳に乗せ勝手へ持行、湯お通ひに出さすもよし、偖通ひ吸物お引付勝手へ入る時、亭主間鍋八寸持出るもよし、通ひ盃お納め勝手へ入るとき、亭主吸物椀お膳へ乗せ勝手へ持入、湯お勝手にて相伴し、客の膳お下ぐるもよし、点茶の節、客より御手前も沼上られ候やうなど挨拶ある時は、二人分の茶お点る也、客より右の挨拶なき時は、亭主より御相伴いたし候といひて二人分の茶お点べし、御手前と一礼して茶お呑むとき、亭主旦坐の半東のやうに座つく也、至て小坐敷ならば少し坐お進めてもよし、茶碗は手より手へ受取、帛紗おはずして呑む、客一澄すれば、茶碗お客の前に置き、帛紗おさげ、定座に帰る、