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備前老人物語
花見帰風呂上りの茶湯といふあり、これは人に依て花見の帰るさ、風呂の後の席に茶おまひらする也、その時はつねの衣服お著て迎に出、座へ請じて、麁相なる道具にて、まづ薄茶お以、次第にすゝむべし、其茶過てのち炉火おなおし、つねのごとくぜんお出し、それより真にかまへ、衣服等もあらためよと也、悉略す、