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長闇堂記
一堺薮内宗也、口切に利休お、約束せし前夜、利休一礼に参られし時、宗也立出、猶忝し御入有て一服可参由申せば、利休明朝の口切なれば、先入まじき由申さるれば、明日は明日の御事なり、先は入有べしとて請じ入、茶お立いろ〳〵の物語にて、思の外はなししみて、はや暁になる程に、利休さらば釜御改候へとて、朝の数寄迄居つゞけて、口切心よく有しとなり、