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茶道要錄
下/賓法
茶之湯之起附掛物之事
一茶席へ刀脇指お不帯事、茶主道人の事業たる上は、剣刀おね佩、主如此、則客も亦猶此、又は席の狭お以て也、家語に所謂載仁而行、拘義而処と雲に合へり、大座席と雲共、主刀剣お不帯則可従之、是礼也、〈○中略〉
刀掛附扇子之事
刀掛の蹈石に上り、先刀お掛、次に脇指お可掛也、後に掛る者は、棚の角木に降緒お掛て吉、貴人高位の御供ならば、我刀脇指は鐺(こじり)に紙お敷て、棚の下壁に可立掛也、座より御先へ出る時は、刀掛より脇へ寄居て、貴人より早く刀脇指帯すべからず、角木に脇指お掛る事、好むには非ず、棚塞りたる時の義也、