[p.0448]
茶道織有伝

客入の大体
炭おかんとする時、客おの〳〵うち寄、手おつきて炉中お見る也、〈○中略〉扠客本座へなおらば、御時分はいかゞ、御茶うけ可進かと雲時、御勝手次第とあいさつ猶也、扠会席出ば、つねのごとくくふべし、とかく膳のうち、椀の内、箸などきれいに、めしおもるにも、酒おつぐにも、膳の上にてうけべし、たゝみへこぼさぬため也、亭主出て、ろくにといはゞ、ろくにゆる〳〵と居たるもよし、とかく客主こゝろよきあいさつ専一也、酒も上戸ならば、よはぬ程のむべし、扠膳すぎ茶ぐはし出ば、つねのごとくくふべし、めん〳〵菓子ならば、ぼんの内きれいにして、くはしあまらば紙につゝみ、ぼんお順々にかさね、どうじりの人かよひ口のわきに置也、少見合押つけ中だちする也、