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茶道望月集
二十二
一茶請料理の事、夏は凉敷仕かたのしかけ計にてよし、冬は別て寒気強き霜臘二け月の中、心掛惡しければ、かげんさめはてゝ不興成物也、もと茶の料理は、数お少くして塩梅お第一と心がけたる物也、夫ゆへ座数も小座敷お賞玩して、人数も三人よりして五人に限るとは、膳お出し揃へねば、客中食はざる礼法なれば、何ほど勝手にてかげん能仕立ても、座敷多人数なれば、其間にかげん損ずるとの吟味也、又菜数多からぬも右の趣に同じ心得也、