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明良洪範

片桐石見守も、茶事は衆に勝れし人也、会席も上手にて、軽き品お出されても風味至極宜し、諸人片桐に効ひて料理すれども、風味中々及ず、或人片桐に料理の仕方お問ふ、片桐答て、混て料理は軽き料理にて、風味およくせんと思はヾ、まづ重き料理お拵へ、其重き内より出たる軽きは風うみ宜也、最初より軽く拵へては麁末に成て、客には出されずと雲へり、