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茶道便蒙抄
一/亭主方
後火お直す事
一菓子喰終る時分に炭斗お持出、土鍋取に立、其時菓子の器取て入、土鍋お持出、前のごとく図〈○図略〉の所に置、障子おさす、火お直す事前のごとし、扠炭お仕廻、道具炭斗へ入る事、いづれも前に同じ、
一此火直す時、炉中つかへたらば、下取の土鍋お持出灰お取たるがよし、当代は客より下御取あれと申也、一切不心得、下取事、客への不礼にて有間敷事也、不断茶の湯仕懸候へば、時ならず灰つかゆる也、其節客よび合候へば、客有とも辞儀に不構、下お取て炭おかで協間敷也、当代は客よび候時、為其に灰お直し、茶の湯仕懸るなれば、中々下つかゆる事無之、然れども客より下御取あれと申せば、客に任せ、つかへざる下お心得がほにて取事、おかしき事也、扠此時の炭は、前のよりかろく、様子見事に置たるがよし、