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貞要集

茶調る心持之事
一針屋宗真は名ある茶人、老後に其比好者ども、利休織部茶道前、如何やうに有之哉と相尋候へば、宗真答に、織部手前は、扠も〳〵りつはなる事、今に目に付候様におもはれ候、あのごとくにも立申さるゝ事かと感に絶る、利休手前は、見とり候半と目お付るに、いつ立出し、又仕廻申まで見とめ見覚不申候、利休手前は、凡慮お離れたるよし常に語しと雲伝あり、