和泉草

一

真台子手前
一茶筌置に茶筌茶巾仕込、長茶杓あおむけて置持出、左の膝の脇に置て台子の前へ寄、長盆台子の天井の端へ両手にて引出し跡へ少しさり、長盆台子の前へ下し、水指の前目当能所に考置、身構居住居する也、一台天目お両手にて長盆の下、左の脇へ暇初に下、茶入お盆の真中へ両手にて直す、台天目お風炉の前、目当能所へ直し、蜻蛉の尾お向へ廻し、長緒如習解て袋の口お広げ、天目お左の手へ取上げ、取出し台に置、天目の袋お左の手にて風炉先の屏風に懸る、屏風無之時は、台子の天井左の角、緒お下へ折返し、袋の口の方お前へなして置、
一茶入台天目前へ下し、長緒おときかけ、天目の右の方に置、腰の服紗にて長盆おふき絹お納め、茶入右の手に而取、左の手へ取上、袋より取出し天目の前に置、茶入の袋、天目の袋と同事に納め、茶人如習服紗絹に而改、両手にて長盆の真中に置、茶筌置に有長茶杓右にて取、如常改、茶入の左りの方に、盆の縁へ茶杓の本おかけて置なり、
一台天目手前へ目当能所へ引寄、台子に有、水覆お風炉の方へ少寄て、蓋置お台子板の上か畳の上、両所の内蓋の大小お考て置、釜の蓋お取、蓋の雫水覆の内へ落る様に取て蓋置に置、柄杓立の火箸向へ横に廻し、柄杓おぬき取、湯お少汲、天目へ入る時、天目に左の手お添る、柄杓釜の上に置、天目の湯おこぼし、又湯お汲入、柄杓おさし、釜の蓋お〆て、茶せん右の手にて取、天目へ入、天目お両手にて取、長盆の右の方前の角通りに仮初に置、但し天目の置所此外も有べし、台お巾て元の所へ置、天目お左へ取上、茶筌の音のなき様にして、廻し〳〵て湯しみお和て、茶筌お如作法、天目の中にて上へぬきとりて茶筌置に置、台天目の時に、茶筌天目のふちに当て引事は無之也、茶巾お取天目のふちに当、そろ〳〵と湯廻、天目お暖め、左の手にて水覆へこぼす時、右の手も添るもの也、茶巾にて内おぬぐひ、外は露お押て取、茶巾茶筌置に最前之如く茶筌の下に成る様に置、若又茶筌の前にも置、天目両手にて台に載るなり、
一茶入お両手にて取、盆より三四寸持上、茶入の蓋お取て、盆の真中茶入の跡に置、茶杓お取、両手にて茶入おかため、茶杓の先茶入の口へかけて、茶杓取直し茶お汲入、茶杓の先お天目の内へ置、茶入の口に茶付たらば、和巾にて改、緒お此時は左の前にはさみ、茶入の蓋おして如前盆に置、茶杓にて天目の内の茶おほこし、茶杓改て長盆の内茶入の左りに置なり、
一釜の蓋お取、柄杓おぬき、左の手へ渡、右に持直し、湯お汲、天目へ入、柄杓釜の上へ置、茶筌お取、茶お立て茶筌置に置、天目台共に両手にて持、畳おすらせ、客の方へこぎ出す、客手前へこぎ寄、茶お呑終て前に置、亭主の出したる所へ台天目返し置、台に天目おのせて、風炉の前へ直す時、一礼如常、天目へ湯お入すゝぎ、又湯お入、盆の角通り目当能所に置、台お和巾にて改め、天目取上湯おこぼし、茶巾お取如前改め、茶巾此時は釜の蓋の上に置、天目台にのする茶杓取改、天目の上、に成共、台の端になり共あおのけて置、天目お左りの方へそと寄て置なり、茶入お取、天目の右の方にならべ置、長盆おふき改、茶入おとり上ふきて、和巾腰にはさみ、茶入お盆の上右之方に如前に置、次に台天目お取、盆の内左りの方に、如前置合るなり、
一茶筌置風炉の前へ右の手にて取出し、茶筌お取、茶筌置の跡に置、水指の蓋お取、台子の前の右角柱より水指の方へ立掛置、柄杓お取、水お汲、茶筌置に入、柄杓は釜の上に置、茶筌お取すゝぎて、元の所に置、茶筌置お取上水おこぼし、茶巾にて改事、天目同前、但茶碗布巾にしても不苦、茶筌仕込て如前左の膝の脇に置、客薄茶所望之時は、茶筌置にて立る、別之茶碗出す事無之なり、
一釜へ水おさし、如常湯お汲立、柄杓お差、火箸元の如く直し、釜の蓋おしめ、水指の蓋おする、
一長盆最前下す時の、如くに持、台子の天井前の方に仮初に置、身お台子の方へ寄、最前飾置如く台子の天井真中へ上る、
一水雫お下へ仮初に下し、蓋置最前畳の上に置たるお、水覆の跡へ上、水覆と茶入の袋天目の袋お持、勝手へ入、水おこぼす内、茶筌置お入、水覆持出、台子の前にかりに置、蓋置お中へ入て如最前置合、蓋置初より風炉の脇板の上に置合たる時は其儘置、水覆計如前置なり、釜の蓋お取かけて退なり、
一片口お持出、水指に水お継仕廻候也、