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槐記
享保十二年五月廿三日、参候、今の世には唐物とさへいへば、盆にのせて盆だてにする、なきことなり、唐物にて盆にのする物は、ぶんりん、丸つぼ、肩衝小つぼ、この四つのみなり、其外の唐物は盆にのせず、唐物だてにすることなり、常修院殿〈○慈胤法親王〉に所望せしかども、其道具なしとて終にあそばされず、三菩提院〈○貞敬法親王〉には小壺ありし故、御手前にても、後西院にてもなされし故、其法は見知りぬと仰〈○近衛家熙〉らる、