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茶道要錄
上/主法
炭之事
蒋魴が切韻に、炭は仙人厳青が造也と雲、字書に焼木未だ灰ならざる者と注す、本肥火用たり、故に見物お次にして、火の熾る事お肝要とすべし、長さ七寸五分程吉、夫より五分劣りに可伐、丸炭、割炭、輪炭有べし、輪の厚さ一寸程にすべし、末流には薄きお好む、不用也、細炭は自然の焼色お用ゆ、白く染たるおば必ず不可用之、細炭と雲て白炭と不言、然るに当世五色に彩して用と也、又竹葉、松笠、茶筅等お炭になすあり、大に嫌之、鳥府に炭お組入やう、各竪になすべし、大なる炭程上に置べし、風炉の炭は長さ四寸より段々短く可伐用なり、