[p.0502]
長闇堂記
一大昔八寸六寸の囲炉裏の時は、火箸にて灰お上段のうはろ迄かきあげ、炭置て後、火ばしかた〳〵お以て、くるり〳〵と灰廻したるよしなり、此数寄には逢たる事なし、其後けさう灰お小きかはらけしてかけたる時は我もせるなり、後にはあはび貝おしやくしのごとくすりて、それお用ひしなり、扠金杓子、柄火箸は利休始らるゝなり、