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茶道要錄
上/主法
炉同縁之事
一灰之事、炉には霰灰に、ふくさ灰とて微塵お交て用ゆ、春は陽気堁りお立る故に、微塵おふるひぬき、霰灰計お用、詫人はいつとてもふくさ灰計お用也、末流に霰灰の粒お大小汰(そろ)ゆる事あり、猶嫌ふ、大小交りたるお好めり、砂些もなく色の黄ばしりたるお吉とす、微塵も霰も、炉に入る時水にて能湿りお可掛、燥時は落つかずしてほこり上る也、世寒する時は、灰少く火多く、暖なる時は灰多く火少き也、風炉に可挙前には、別して灰多く成べし、土鍋に入る灰は、猶以能湿して吉、燥きたるは炭衣お消に堁立て悪し、総じて炉中の法、大概お雷盆の内の如くすべし、隅お欠事、別の子細なし、見物の為也、大釜の時は少く、小釜の時は大く欠なり、四方釜の時丸くする事もあり、
風炉の灰、極て軽きお用、其法前の方にて、右低く向右高くし、前五徳の脇、右短く左長く、前の方両間は杓子次第也、口伝、