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槐記
享保十二年霜月十日、茶杓の茶おはらふに、茶碗のふちおたヽくことは常のことなり、天目類は、ふちおたヽかず、中にてたヽくと覚ゆ、天目にかぎることに非ず、ふくりんものとて、ふちお銀錫の類にてとりたるものは、総じてふちおたヽくべからず、天目はふくりんものなれば、勿論なりと仰〈○近衛家熙〉らる、 十三年五月三日、濃茶立のとき茶杓のかけやう、他流卜全く異なり、他流にては縦にかくる、御流儀にては横にかくる也、縦は茶杓の常座なれば也、