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写本茶道筌蹄

茶巾八之事
茶碗へ仕込候節、能程にしめり在之様にして仕込置、茶碗ふき仕込候て、八様は、右の大指と人差指と二本にて取上、左勝手左の方へ耳お四度にのす、〈一四二三〉左右の手で角かけ候様にのし、左の手にて中程より少下の方お取、内の方へ二つに折、右の方二つ指にて、又中程より少下おとり内へ折込、左の小指無名指へ、右の中指にてのせ、右お放し、扠右の手大指お、上より茶巾の中へ当て、人差指と二本にて折ながら持、左の手お抜直し、夫々の場へ遣し置、右の八方おふくさめ茶巾といふ、右勝手は、茶巾の耳延し候節、右のかたへ、〈一二四三〉段々に引延し、其外替事なし、
但右左勝手ともに耳お延し候節、一より二三四とうつり候節、茶巾持手の縁の切れざるやうに移りてのすなり、
○按ずるに、凡そ茶器は皆扱方あれども、今多く省略に従ふ、