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台子しきしやうの時かざり様の事
一台子の置様は別書にあり、しきしやうにかざる時は、茶入、茶碗、其外いづれも唐物名物ならではなるまじき事にてあり、かざり様は常のごとく、ふくろ、水指、水こぼし、ひしやく立の置様は、ふろのきめんお台子のはしらの内のかどの通お一すぢに置なり、水指もとつ手のとおりお一通りに置なり、ふろと同前なり、ひしやく立は、ふろと水さしとのまん中のさきの方に置、ひしやくおさして置なち、水こぼしひしやく立の中前に置なり、ふた置は水こぼしの中に入て置なり、いづれも此ぶんは常にかはる事なし、茶入は盆にのせて、台子の上にまん中に一つ置なり、およそこのえづのごとし、〈○図略〉
一しきしやうの時は、茶せん置とて別にあり、茶せん、茶きん、さゝく、此三色お入て、茶たつる時もちていづる也、茶きんお四つにおりたゝみ、茶せんお其上に置、さゝくはあおのけて置なり、一茶入お置に、のせ床の右の方へよせ、かざり置事もあり、地しきいより七寸五分、床がまちより盆の間、たゝみの目廿一めよし、一茶入お棚にかざる事もあり、ちとかべの方へよせて、棚の時は羽ばうき置そゆるなり、