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茶道織有伝

真の台子の事〈附り風炉〉
それ真の台子の七つ飾二つ組といふは、此図〈○図略〉のとおり也、皆唐かねの道具お用べし、炭とりはさいろうにても、ふくべにてもくるしからず、これお略して六つ飾三組、五つ飾四つ組、四つ飾三つ組、三つ飾二つ組、二つ飾一つ置、添置とも添組ともいふ也、天井の上に或は茶入と台天目お置お二つ組といひ、下に釜、水指、柄杓たて、ふたおき、火箸、水こぼし、柄杓ともに七つ、これお七つ飾といふ、上お組又置と雲、下お飾と雲也、真の七つ飾二つ組お略して、作意にて色々に飾なり、扠座敷のつきに、右あがり左あがりといふあり、右の方客座なれば右あがりと雲、左の方客座なれば左あがりと雲、道具の組合手前もちがひしやうにいへども、あへてかはる事なし、上の組合の茶入お客の方に置、台天目お勝手の方に置、下へおろしてもおなじ心也、扠手前は客座左の方ならば、身お左へひねり、水こぼしお右の脇へおろし、ふたおきお水こぼしの跡へなおすのみ也、又茶入おぼんともにおろし、台天目も台ともにおろすなり、手前の順々つねのとおりかわる事なし、又客入て道具もち出、かざるといふ事惡き伝なり、真のかざりお本として、略の時もありやうに客まへかたにかざり置、亭主は手ぶりにて出、茶たてたるがよし、略の作意の伝用にたらず、〈口伝〉台子の寸法は真の風炉釜より出る也、天井ひくければ火気湯気にて板ひぞり、又柄杓のさしとりにつかへて惡し、むざとたかきは見ぐるし、横はゞたての長はよき比の七つ飾の道具お置合せきあはず又ひろからず、よき比お寸法とする也、広間台子などは惡しきかつこう也、よく〳〵置合見て吟味あるべし、