[p.0519]
茶道要錄
上/主法
道具与道具取合之事
夫器と器の取合、物好の肝要、数奇者たるの眼也、方に円と、大に小と、高に低と、広に狭、各体用相応あり、是道の元にして、易に所謂る一陰一陽道の始なり、不得止の理是也、利休能識て用行ものか、当道お勤て名ある人の説とて雲く、釜の大に水壺の小お用る事、湯多が故に水の所用なし、小釜に大水壺お用る事、水多く可用為と也、猶一理達して聞に悦ぶ、我所伝不然、各大小お応ずる事、陰陽体用の至極如前と、或説も亦善理に似たりと雲共、本理に非るお以て不合す、其四方と円形の弁は如何ん、又茶盛の小に茶盌の大お如何とかせん、諸道其本お学ばんには不如、故に聖語に本立而道生と雲り、