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総見記
十五
伊達別所飛騨国司等参味方事附御茶湯事
同月〈○天正三年十月〉廿八日、御遊興のため、京堺に於て、茶湯に名お得し者どもお十七人えらび召寄られ御茶被下、生前の大幸、冥加至極の仕合と申し悦び奉る、御座敷飾の次第、御床に晩鐘三日月、扮違棚の置物茶台に、白天目内赤の盆に御茶入つくもがみ、下には香合しめきり被置、おとごせと雲ふ御釜、松島と雲ふ御壺の茶なり、御茶童は千宗易、後には利休居士と雲ふ、当世無双の名人なりとて、此者に被仰付けり、