[p.0535][p.0536]
茶道筌蹄

茶師並茶名
茶名 初昔は慶長の頃より始る、むかしは白といふ製にて有しが、中頃より青といふ製になりしお、慶長の頃、むかしの白の製に定め給ふに、当時白の製お知りたるは上林の後室のみ成し故、婆々昔と御銘し給へり、〈祖母昔ともいふ〉但し白青といふは畑の名といへり、
七園の歌 森、祝、う文字、川下、奥の山、旭の麓、琵琶おひく也、〈○中略〉
薄茶
極詰 別儀 極揃 別儀揃 宇治の茶園此四名の外になし
茶一斤 二百目也
濃茶 一袋二十目入、半と雲は十匁入、小半と雲は五匁入、
半の直段、〈下三匁九分、中五匁七厘、〉昔といふ名よりは、南鐐一片の礼也、
別儀揃 一斤に付 十三匁 極揃 同 廿六匁 別儀 同 五十二匁 極詰 同七十八匁
通例の濃茶、此直段と同じ、綾森は三割増、
宇治いづれの家にても此定りなり、三十目代、四十目代といふは、好の茶といふて、定直にあらず、初昔 後昔は壺の大小にかゝはらず、黄金一枚、
此茶売物にてはなし、拠なく所望に依て譲り受取時、一袋金百匹、半袋南鐐一片位の礼也、