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茶譜
十四
一利休流に数奇屋と雲事無之、小座敷と雲、此小座敷は棟お別に上て、路地よりくヾりお付て客の出入するお雲なり、又囲と雲は、書院より襖障子など立て茶お立る座敷お囲いと雲なり、之は床お入てもくヾりお付ても、中柱お立ても、或は突上窓、或は勝手口、通口有之とも、広座敷の内に間仕切て、茶お立るやうに造るゆへ囲なり、
右当代は数奇屋とならでは不雲、又書院の脇に襖障子お立て、或は三畳、或は四畳半、或は六畳敷にして小座敷のごとくなれば、之も数奇屋と雲、又小座敷別に棟お上て、書院と離たも囲と雲、何れも誤なり、