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茶譜
十四
一利休流に、座敷の畳一間に不足は、半畳に不限何れも半と雲、或は一畳半、或は四畳半と雲なり、依之何畳半の座敷に中柱お立た座敷と雲、又は何畳半の小座敷に茶立所お付てと雲、
右宗旦曰、当代中柱お立て茶お立る、畳一間に一尺六寸ほど短お大めと雲、此大めと雲子細、曾て不聞届誤と雲々、
右当代は何畳大めとならでは不雲、之も古田織部時代に、或は四畳半の囲に又中柱お立て、茶お立る所別に一畳よりも短畳お敷時、四畳半半とも難雲ゆへ、大工共の心覚に雲しお、其以後人毎に聞触て、歷々の茶湯者も大めと雲なり、依之今は大めと雲はざれば不聞受やうになれり、