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茶道望月集
十七
一いろりの炭櫃の大さは、土段へ右の一尺四寸のふちお入ての大きさと可知、扠土段お見る分先は一寸也、或は中以下の釜は一寸分半にもする、又大釜の時は九分にもする也、又一向大釜の時は、土段お二三分も釜の丸みに合せて、四方にくりて仕掛る事も有、是お欠き炉と雲、先一寸の土段としては、いろりの内法九、寸五分四方と可知、扠土段と炭櫃のふちのふかさ五分也、しかれば右にいふ炉ぶちの高さにて五分引けば、板敷と炉ぶちの天との高さ一寸七分也、是則よせ敷居の高さと同寸法也、然ば畳のあつさ一寸六分半に仕立る事よし、
一炭櫃の板の厚さ七分、手がかりのあつさ一寸、此高さ二寸三分、形は下すぼりにさし立る也、恰好は上と下と五分違ほど也、総高さは一尺四寸計、杉の上板にて仕立る事よし、扠炉の内ぬり立る心得は、上土段一寸ならば、下ほどくつろげて広くする事よし、同じはゞにすぐにぬれば、必下せまく見えて上より見分悪し、小手数お不入、ざんぐりとぬり立る事よし、