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茶道筌蹄

小座鋪之部
勝手口 ほたて口と火灯口は勝手口に限る、〓火灯口すりまはしは、勝手口と通ひ口と両様なり、席によりて釣襖(つりふすま)もあり、古風には引違ひ襖にて、勝手口と通ひ口と兼用するもあり、堺塩穴寺利休好の二畳台目あり、引違〈ひ〉なり、でぐちつけられぬ席ゆへ也、
通口 ぬりまはしに限る、茶の湯の節、菓子煙草盆通ひ口より出す、通口の濫觴は、台目切にては、点茶の節、貴人の前へ行て急なる用向など、勝手口より申上難きゆへ、利休勝手口の外に通ひ口お明る也、夫故に是お禿(かぶろ)口といふ也、禿ろの出入する為といふ意なり、