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茶伝集
十三
一露地取様の事、元来露地は天然のあり様なれば、其所の次第によるゆへ雲がたし、書付にも仕がたく、露地にて庵主の心中知るゝともいふ也、先道の付様、水打口、勝手の方へ行やう道お付、数奇屋へは立寄様にしてこそ、露地物深くのこる心ありて、一段と意味浅からず候、数奇屋へ直に道お付、とまりたる所にすきやありては、露地浅く詰りて惡し、されど其とり様なりがたき、狭く詰たる地もあるもの也、ひたすらにも雲がたし、隻鍛錬の所にあり、狭くて広くも見へ、広くてせばくも見ゆるもの也、能々勘弁あるべしとの仰〈○細川三斎〉也、