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茶式花月集

一路次仕様之事
一松葉お敷事、植込の内見合、所々敷也、
右之通口切に敷、正月元日より少々づヽ松葉お揚る、此仕やうは、大晦日に数奇屋の方お揚、〈但し是はあらためて春ちむかへる心〉又正月末、或は二月へ入て、其次お見合揚る、扠風炉に替りたる時、待合不残揚るなり、
〈但し風炉に揚る時も、待合計に松葉あり、風炉より不残取る、附利休大晦日に年暮の礼に紹鴎へ御出被成候節、紹鴎路次にてかれ薄おかり被居候由、此時直に茶の湯あり、花びら餅に味噌巻牛房の菓子にて有之由、夫より利休も薄おかり、大晦日に松葉も少々揚候由、是は改て春て迎るなり、〉