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喫茶指掌編

道安利休お招時は、露地の陰に人お置て、比判もあらばと伺しける、或時利休路地にて相伴の人に咄して、此石の内に一分程高き石あれども、道安気の付ぬにやと笑けるお、早斯と告ければ、我も日頃左はおもひつれど、執紛て直さずと雲て、中起前に直させて、左あらぬ体にて有しお、利休中起の時相見て立留り、此石は早直したるやらん、よく居りしと雲り、