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茶道筌蹄

庭之部
萱門 利休形萱ぶき屋根、裏よしず、檜の堀込、柱戸より上に松の皮付三本入るゝ、下けづり木のぬめしき一枚の大開戸の内に、小くヾり戸あり、鉄の横関貫お打懸にてとめる、
中くヾり 織部〈○古田重勝〉伏見の屋敷にて、武用のためはじめて好まれしよし、杉の堀込柱に壁お付て、にじり口より大ぶりの戸お用ゆ、板屋根両方へさしおろし戸尻に塗残し、長窓障子なし、簾ばかりなり、
角戸〈猿戸ともいふ〉利休形大小あり、堀こみ栗のなぐり、柱の根に戸あり、
揚簀戸〈半蔀ともいふ〉好み物にあらず、むかしよりあるお仮用ゆ、小坐敷二つありて、路二つに分る、露地などに用ゆ、揚簀戸おりてあらば、かた〳〵の道お行なり、此簀戸用る時は、客より前に揚置く、又左なき時にても用ゆ、〈○図略〉
梅軒門 檜の堀込柱、杉皮屋根、竹簀戸の両ひらきなり、広庭の見切に用ゆ、所によりてこれより客おむかふるもくるしからず、
京くヾり 檜の大引戸に小間の戸めり、外露地に用ゆ、