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茶道筌蹄

庭之部
石手水鉢〈杉の杓長柄〉 水溜さし渡し七寸、深さ六寸程、猶石の大小にもよる、利休所持の四方仏手水鉢は、今清水寺にありて梟の水といふ、何者か仕たりけん、其上へ角なる手水鉢お重ね、筧にて水吹上る、
手水桶〈蓋〉 椹木(さわら)の桶、松の蓋、檜杓、不浄水にも清浄水にも両様とも用ゆ、
不浄薬鑵 二重露地の狭き所は薬鑵お用ゆ、広露地には桶お用ゆ、一重露地は広狭にかゝはらず手水鉢ばかりなり、不浄水なきとき、不浄の手お清くするは、まづ杓の端お持、扠片手おあらひ、其手にて杓の中程お持て、かた〳〵お洗ひ、後に口おすゝぐ、