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茶道筌蹄

庭之部
石灯籠蓋 〈油盞〉 古寺古社にありしお用ゆ、其外名物あり、蓋は杉板に半月のすかし、〈但し八日月なり〉障子は十文字明〈け〉、勝手にて両様お用ゆ、利休形、 油盞は了々斎好、弥助作赤、〈今是お用ゆ〉
木灯籠〈輪〉 〈油盞〉 利休形、障子と三日月とむかひ、満月と半月と向ふ、油盞お居る輪は竹なり、
仙叟好は満月が角になるなり〈猶仙叟好、満月と障子と対すあれども、表流には不用、〉
金灯籠 利休形、菊のすかし、鎧くづしの二つなり、其余は古寺古社にてふるびたるお用ゆ、今千家の利休堂にあり、
灯籠台 利休形、栗のなぐり木の蜘手、高さ一尺八寸、江岑好の石の台あり、一尺六寸也、蜘手寸法二寸、高〈き〉は蜘手灯籠の底へ十文字入るゝが故に、江岑好石台同様に成る也、〈○図略〉