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茶話指月集

利休の台子直伝は藤村庸軒一人存命の由、此人若し時古織〈○古田織部正〉お学び、遠州公〈○小堀政一〉に親炙す、強年に及んで千家の薀奥お探り、齢八十お過て一日も炉火お断さず、加之平日書お読み詩お題することお好む、暇ある時は茶匙竹筒お製して俗事に渉らず、門流甚だ多し、