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幕朝年中行事歌合

十六番 右 茶壺
木の芽つむ里の手振も語れ人宇治めわたりに往返りつゝ
茶壺と申は、数寄屋の頭に茶つぼおもたせて、宇治にのぼせ、新茶おくだしめらる、もとは徒頭おそへられしが、今は大番の士是に添へり、壺の口開かるゝ時は、数寄屋のかしら茶お点じ、宿老少老の人々是お試し後、御宮みたまやにも供せらる、