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北条五代記

房州里見家の事
元正のあかつきより、やかた義高の御前へ諸侍出仕の時、其人のくらいによつて礼の次第色々かはる、主君のかはらけおいたゞき持て立人おほし、かはらけおいたゞく上に、片肴の礼と雲て、肴お其人へ引もあり、又両肴の礼とて、主君の前へも引事あり、其上片茶の礼、両茶の礼と雲事あり、其時は一人のまず、両方見合同時に茶おものむが定る礼義なり、