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千家茶事不白斎聞書
台子之事
一真の台子大小〈大は風炉用、小は炉用、〉是は唐に而高官の膳也、昔越前永平寺とふけん和尚入唐之節持帰りたる台子お、日本に而茶の湯之台子に用、珠光譲請用、小に風炉置事なし、竹台子、炉風呂に用、珠光、 高麗台子炉に用、是者宗旦より遣初、好にてなし、隻遣ひ初め候也、 妻紅台子、炉に用、宗旦好み、東福門院〈○後水尾后徳川和子〉〈江〉上げたる台子にても可有之歟と説有り、如何様左も可有之事にて、宗旦の遣ひ候ものとは不見、女院〈江〉上たるもの猶に候、 弐本柱台子、炉風炉に用、是ば真の台子大小の寸法也、天井に玉ぶち有之、右台子定り五通也、 外に桑の台子、炉に用ゆ、覚々斎は風炉も置候、