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槐記
享保十三年五月三日、風炉の板は、大板、小板、中板、丸板、木地、焼杉等あり、半板と雲ものは、御流儀にはなし、丸板は勝手のもの也、表向へは出さず、大中小は風炉の見合せ、大風炉お小板にのするときは、必茶巾は水指蓋の上におく、小風炉などの大中板にのりたるときは、板の上におく、置処は必ず水指と風炉との間に置べし、是台子のとき、茶巾のせの常座なればなり、 七日、参候、塗板と木地の板とは差別あり、金風炉は、いつも木地の板に置、土風炉はぬり板におく、風炉の板に丸きあり、あれは畢竟勝手也、〈御前(近衛家熙)にも、やき桐やき杉の板あり、金炉におかる、木地の部丸板のことは、道億が訛には、円々角々のと雲ことはあさ、円角々々と雲ことはなきことなり、たとへば丸き釜お四角の風炉にかけて、又丸き板おすゆるは円角也、四方釜お丸鳳炉に角板も円角なり、丸き釜に丸きふろ、角の板は、円角にあらずと申されたり、いかが、〉