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君台観左右帳記
土物類
曜変〈建盞の内の無上也、天下におほかおぬ物なり、万匹のものにてそろ、〉 油滴〈ようへんの次、是も一段の重賓也、上々はようへんにもおとるべからず、五千匹、〉
建盞〈ゆてきの次也、これも上々はゆてきにもおとるべからず、三千匹、〉 烏盞〈土薬はけんさんのごとし、形はたうさんなりにて大小あり、三百匹、〉
鼈盞〈土白し、薬あめ色にてほし有、鳥花の形薬の内にあり、千匹ばかり、〉 能〈○能恐熊誤〉皮盞〈同前、へつさんに似たり、代同前、〉
灰潜〈世間にまれなる物にて候、見やうに色々口伝多し、〉 黄天目〈はいかかづにまぎるヽ物にて候、大にちがひたるやくそく有之、尚口伝多し、〉
隻天目〈世間に多き物にて候、よれもころなり、薬能候ば重宝に候、〉 茶碗〈青おば青磁の物と雲、白おば白磁の物と雲也、〉
饒州磁〈うつくしく白くうす〳〵として、内にこまかに花鳥の文ありて、内外すきとおるお、にようじうわんと雲、〉
管瑶〈土肱らさき色也、薬もうすむらさき色にて、ひヾきたるお雲也、青き茶碗に弔ひヾきあり、青くはんにうと雲也、又定例ひヾきとも雲也、〉